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立山連峰縦走 〜薬師岳・五色ヶ原・立山〜 その4

立山連峰縦走

〜薬師岳・五色ヶ原・立山〜 その4

鬼岳から龍王岳と立山を望む
鬼岳から龍王岳と立山を望む
梅雨明けの天気というのをちゃんと実感できた昨日までの3日間。
久々に快適な山歩きができていることに感謝です。
7月はほぼ全部の山が雨でしたので…。
 
さぁ今日はいよいよ立山に到達する日です。
 
day4
朝の五色ヶ原
朝の五色ヶ原

朝日は爺ヶ岳あたりから上がりました。

 

今日もまた快晴の予感。

五色ヶ原山荘
五色ヶ原山荘

出発時、くっきりと快晴です!

 

はりきっていきましょう。

チングルマ
チングルマ

朝日を受けて輝くチングルマ。

五色ヶ原から立山方面
五色ヶ原から立山方面

向かう先はこちら。

 

獅子岳、鬼、龍王が待ち構えています。その奥に立山!

五色ヶ原を振り返る
五色ヶ原を振り返る

五色ヶ原は素晴らしいところでした。

 

今度来るときはもう少しここでのんびりしてから、針ノ木谷~針ノ木峠を越えて信州側に抜けてみたいです。

ハクサンコザクラ
ハクサンコザクラ

少し進んだ窪地にハクサンコザクラが残っていました。

ウラジロナナカマド
ウラジロナナカマド

ウラジロナナカマドもきれいに咲いています。

立山カルデラ外輪山
立山カルデラ外輪山

五色ヶ原のレベルから少し下がると迫力の崖崖崖!!

大きな階段状になってます。

 

これがかの有名な「立山カルデラ」の縁ということですね。

 

ただし、立山カルデラはいわゆる火山活動による陥没でできたものではなく、浸食カルデラとのことです。

 

火山活動と直接的な関係はないので正確にはカルデラとは言えないということでしょうか?

カルデラと呼ぶことに反対する専門家の方も居られるようです。

ミヤマシュロソウ
ミヤマシュロソウ

アオヤギソウやバイケイソウ、コバイケイソウの仲間。

ミヤマシュロソウ。

ザラ峠
ザラ峠

よく読めませんが、ここがザラ峠。

佐々成政のかの沙羅沙羅越えの舞台です。

 

佐々成政の家紋は棕櫚(シュロ:ヤシ科の植物)ですが、すぐそばにそのシュロを名の由来とするシュロソウがあったのは偶然でしょう。

 

こんなところを厳冬期に越えて浜松まで行ったのに、家康に願い届かずとぼとぼ同じルートを戻るって…。戦国の世はあまくないですね。

 

歴史とロマンのザラ峠です。

 

 

イブキジャコウソウ
イブキジャコウソウ

ザラ峠にはイブキジャコウソウが咲いていました。

 

麝香の香りに元気をもらって獅子岳の登りに取り付きます。

獅子岳の登り
獅子岳の登り

獅子岳の登り。いやなところから日が出ました。

 

もう少し待ってくれー。あちー。

湯川谷
湯川谷

蛇行して流れるのが湯川谷。この湯川谷の先にはかつて立山温泉があったが、昭和44年の豪雨で被害を受けて閉じてしまったとのことです。

 

アーネスト・サトウやウォルター・ウェストンも入ったらしく、新田次郎の『剱岳・点の記』にも登場します。

野口五郎岳方面
野口五郎岳方面

烏帽子岳(左)から野口五郎岳の稜線。右奥には槍の穂先が見えています。

イワギキョウ
イワギキョウ

イワギキョウは夏の登山に涼風を吹き込むような爽やかさ。

 

 

五色ヶ原・薬師岳方面
五色ヶ原・薬師岳方面

標高を上げて再度五色ヶ原山荘が見えました。

遠くには薬師岳も。

 

遠くまできたなー。さすがに少し感慨深いものがあります。

 

獅子岳の少し手前で撮ってみたパノラマ。左右の〈 〉を押すと山名が表示されます。

獅子岳山頂
獅子岳山頂

獅子岳山頂は登山者で混んでいたので、スルー。

 

と言っても5,6名ほど。狭いので。

ミヤマダイモンジソウ
ミヤマダイモンジソウ

ヤマダイモンジソウは改めてよく見ると黄色、緑、白、赤の配色が鮮やか。

 

黄色が花托、緑が萼、白が花弁、赤が葯ですね。

花弁のアンバランスさがただものじゃないと思わせるところでしょうか。

鬼岳
鬼岳

鬼岳の雪渓。暑い日の雪渓通過かなんとなく嬉しい。

でも乗ってみると全然涼しくない。

 

雪渓を通過し、右上に斜上してそのまま鬼岳は巻きます。

龍王岳
龍王岳

鬼岳を東面で乗越すところに着くと龍王岳がどーん!と現れました。

 

かっこいい山です。

 

これを越えるといよいよ立山だ。

鬼岳と龍王岳鞍部の雪渓
鬼岳と龍王岳鞍部の雪渓

鬼岳と龍王岳の鞍部はまだまだたっぷりな雪渓で満たされていました。

ヒメクワガタ
ヒメクワガタ

鞍部にヒメクワガタ。昆虫じゃありません。

 

花の時は?ですが、実になると萼が兜の鍬形に見えるというのが名前の由来。

 

クワガタソウの高山版です。

ハクサンボウフウ
ハクサンボウフウ

セリ科の見分けはずっと避けてきている宿題です。

 

これは高い山で最も多い(と思う)ハクサンボウフウ。

龍王岳山頂部
龍王岳山頂部

りゅうおうが あらわれた!

 

頭の中はあの音楽がリピートしてます。

 

怖いので巻きます。

雄山から別山
雄山から別山

浄土岳と一ノ越の分岐点から見た

雄山~大汝山~富士ノ折立~真砂岳~別山、奥に剱岳。

 

いままでのところと比べても格段に雪が多い。

 

さすが5つの氷河を持つ山です。

浄土山・軍人霊碑
浄土山・軍人霊碑

浄土山の山頂。

 

遺跡のようになってましたが、軍人慰霊碑です。

室堂平
室堂平

ゴロゴロ岩の斜面を下ると見えました!室堂!みくりが池!

 

さすがに室堂ターミナルは下界の匂いがプンプンします。

 

左奥が大日岳。

立山室堂
立山室堂

石畳とコンクリートの道を下り、室堂エリアに到着です。

これが日本最古の山岳宿泊施設と言われる立山室堂。

 

「室」とは宿泊所。「堂」は宗教的施設の意味。

室と堂をあわせ持つ建物が室堂です。

 

平成7年に解体修理を終え、現在内部は展示室になっています。

展示物よりも建物をよくを見ましょう、およそ300年前にここにこんなものがあったと思うと驚きです。

 

室堂平から雄山・大汝山・富士ノ折立
室堂平から雄山・大汝山・富士ノ折立

空の青と山の白と草木の緑。

 

すばらしい景観です。

 

立山室堂山荘
立山室堂山荘

こちらが本日の宿、立山室堂山荘。

立派過ぎる…。

部屋の窓から雄山!
部屋の窓から雄山!

受付を済ませ部屋に入ると、おお!

雄山がすぐそこに!窓からの景色がまるで絵画です。

ここは水も豊富でお風呂もあるし、ビールは安いし天国です。

 

 

と、ここでお客さんと相談し、今回の山旅はここまでで終了としました。

大日岳はまた別の機会にということで。

 

時間もあったので部屋で行動時の消費カロリーと行動食で摂取すべきエネルギーの考え方をレクチャーしました。真面目!

立山室堂山荘と立山
立山室堂山荘と立山

day5

 

最終日。

立山室堂山荘から石畳を歩いて室堂ターミナルへ。

 

あとはアルペンルートを乗り継いで富山に戻りました。

 

始発の下山バス待ちの列に並んでいると列がみるみる延びてびっくりしました。100人以上いたんじゃないかな。

コロナ禍で外国人がいなくても立山の人気は凄いですね。

上がってくるお客さんもたくさんいました。

 

お客さんとは立山駅でお別れ、5日間大変お疲れ様でした!!