奥秩父縦走
8月の中旬。
スケジュールが空いたので旅行にでも行こうかと思っていたのですが、ふと思い立ち奥秩父を歩いてみることにしました。

コースは定番の奥秩父主脈。
西から東へ向かうルートとしました。
韮崎駅からは、このコロナ禍でまさかと思うほどの満員バスに揺られ、自動的にウォーミングアップは完了。
晴天の瑞牆山荘を出発です。

この日は登山者が多く、登山道も混雑していました。
まぁ瑞牆山往復の人もいるだろうし、テントで富士見平までの人もいるだろうから混雑もそこまでかな。
と思いゆっくり進みます。
少し驚いたのは一般というか経験の少なそうな登山者のペース。
普通に歩いている僕の真後ろに速く歩けと言わんばかりにグイグイくっついてくるので、どんどん道を譲ります。どうぞどうぞ。
若者グループや外国人グループ、ほとんど街と同じ格好の人から、なんと70歳ぐらいの高齢の方まで。一通り全員に抜かれちゃいました…どうなってんの?
そして少し体力のありそうな方が歩行の遅い(むしろ正しいペースの)仲間に「登山なんだからもっと早く歩いてよ!」とヒステリックに罵声浴びせてます。
あんなの地獄だな…。
しばらく淡々と登るとさっき抜かしていった人達がそっちこっちで息が上がって休んでいます、
ほとんどの人に15分以内に追いつき追い越しました。
もちろんこちらは一切ペースを変えずに。
完全にウサギとカメ。
昭和時代のような隣の人に負けるな負けるなのグイグイの競争みたいなのはもういいから、
山ではのんびり楽しむということを覚えてほしいと切に願います。
それにこれじゃ連れて来られた側の人は、山登りは辛くてつまらないくて。ってなっちゃうよなぁ、もったいない。

少し岩っぽくなってきた道を進むと、千代の吹上という場所に出ます。
名前の通り風が吹き上がってくるところなのですが…
この日はあまり風も吹いていませんでした。
女人禁制の金峰山に登ろうとした千代という女性が、ここで滑落したのですが、神の祟りと考えた夫が7日間飲まず食わずで祈ると千代が谷底から強風で吹き上がって戻ってきた…という伝説があります。

千代の吹上を過ぎると間もなく金峰山山頂の到着です。
奥秩父のランドマーク「五丈岩」です。
岩に登ってみたり、隣の大岩で休んでいたり。
ここには憩いの時間が流れていました。
ただしとにかく日差しが強く、暑い。

朝日岳も先の大ナギからの展望。
この3つのコブのどれかが甲武信ヶ岳ですが分かりますか?
三山の
左は埼玉県最高峰の三宝山です。
右は難読漢字の木賊山(とくさやま)。
真ん中の一番かわいらしいのが甲武信ヶ岳です。
こう見えて日本最強の分水嶺の山で、
日本最長の川である信濃川。
山梨市、身延町、富士市を経て駿河湾に注ぐ富士川。
秩父湖、長瀞を経て関東平野を流れ東京湾に注ぐ荒川。
その3つの川の源頭はここ甲武信ヶ岳です。

大弛峠着。車だらけです。
ここまで自家用車やバスで上がって来られるので、ここから金峰山を日帰りする人も多いようですが、駐車スペースが多くはないので曜日と時間に注意が必要です。
下手するとかなり下から歩くことになります。
できれば平日に来ましょう。

大弛小屋は峠から徒歩1分です。
先月も来たばかりですが来るたびにホッとする小屋です。
この日は日帰り、小屋泊、テント泊と様々なお客さんが小屋に出入りし賑わっていました。
小屋番の小林さんにご挨拶し、テントの受付をすると「一緒に夕飯どう?」と嬉しいお誘いが!ただ今回は食料も持ってきてるし…
と思いましたが「ボトルキープの焼酎もあるし」
…これであっさりK.O.です。
茜霧島、美味しいんですよね。
小林さんと忙しい時に小屋番もされている逸見さん(JMIAの登山インストラクター)と奥秩父のこと、コロナのこと、ガイドのこと、山小屋のこと…話は尽きません。
美味しい鳥鍋とおでんで本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。ごちそうさまでした!!