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梅雨の編笠山

梅雨の編笠山

サラサドウダンを見上げる
サラサドウダンを見上げる

とても久々のブログ更新です。

忙しさを言い訳にさぼってました。

 

先日ガイドさせていただいた八ヶ岳連峰最南部の山・編笠山。

早朝発の日帰り登山です。


観音平
観音平

梅雨時ですがこの日は爽やかな明るい雰囲気の観音平をスタート!

 

まずは300mほど標高をあげた「雲海」を目指します。

サラサドウダン
サラサドウダン

この時期にこのコースを代表する花はコレ!

 

更紗満天星(サラサドウダン)。

名前の如く、下から見上げると満天の星のように見える花です。

ベニバナツクバネウツギ
ベニバナツクバネウツギ

あとはこちらの紅花衝羽根空木(ベニバナツクバネウツギ)もたくさん咲いていました。

もうそろそろ終盤かな。

カラマツ林に霧
カラマツ林に霧

時折ガスがかかって幻想的な雰囲気を演出。そしてガスが流れてくるとちょっと涼しい。

シロバナノヘビイチゴ
シロバナノヘビイチゴ

足元にも小さな花々がたくさん咲きます。

白花蛇苺(シロバナノヘビイチゴ)。

マイヅルソウ
マイヅルソウ

小さいながら目一杯華麗に舞うのは舞鶴草(マイヅルソウ)。

ほんとは葉っぱがその名の由来。

森に陽が差す
森に陽が差す

そして時折日も差し込む。あついあつい。

押手川の道標
押手川の道標

「雲海」を通過し更に200mほど登った「押手川」までやってきました。倒木に腰掛け一休み。

 

今日はここから巻き道ルートに入ってまずは青年小屋を目指します。

実はこの巻き道を通るのは今回が初めて。

濃い森に霧
濃い森に霧

休憩しているとまたしてもガスに覆われて瞬時に雰囲気が変わる。

変化は目まぐるしいけど、ザーザーと雨の降る気配はなくてちょっと安心。

ハクサンシャクナゲ
ハクサンシャクナゲ

ちょっと奇を衒ったハクサンシャクナゲ。

形は葉だけど色は花?今は展葉の時期で花期はまだもう少し先。

地衣類
地衣類

苔の森では様々な地衣類が見られました。神秘。

キバナノコマノツメ
キバナノコマノツメ

岩のすき間にきりっと鮮やかな黄色、黄花の駒の爪(キバナノコマノツメ)。

ゴゼンタチバナ
ゴゼンタチバナ

まさに今咲きはじめたような御前橘(ゴゼンタチバナ)。

白いきのこ
白いきのこ

森の精もそこかしこに。

コイワカガミ
コイワカガミ

標高を上げてくると岩鏡(イワカガミ)の花が増えてきました。

茶色のきのこ
茶色のきのこ

そしてまたひょっこり森の精。

ミツバオウレン
ミツバオウレン

青年小屋が近づくと三葉黄連(ミツバオウレン)の群落。

 

巻き道ルートは沢に面していたのでたまに風が吹き上げてきて助かりました。この時期は風が止むと暑い暑い。

 

それにまたひとつ苔の素晴らしい場所を見つけることが出来て収穫ありでした。

青年小屋
青年小屋

で、青年小屋に到着。外のベンチでゆっくりと休憩。

赤提灯は出ていませんでした。

コイワカガミ
コイワカガミ

さて登りの最後の仕上げは巨大岩塊の上を進む登り道。

巨岩の隙間にはイワカガミのブーケ。

編笠山北面
編笠山北面

しばらく登って振り返るとこんな感じ。岩々。

カラマツ
カラマツ

岩々を登り終えると、再び樹林に入ります。

 

その入口で見つけた落葉松(カラマツ)の花。これは雌花。

カラマツ
カラマツ

3連で。

カラマツ
カラマツ

カラマツの葉のこの水滴を湛える感じが好きです。あと色と柔らかさも。

 

ここから山頂直下の樹林に入ります。

ウスバスミレ
ウスバスミレ

すぐ名前を忘れてしまう薄葉菫(ウスバスミレ)。単純な名前の方がど忘れしやすい。

紫条がとても鮮やか。

コミヤマカタバミ
コミヤマカタバミ

梅雨時期ですが今日は時折日も差すので開いてくれました。

小深山酢漿草(コミヤマカタバミ)。

コヨウラクツツジ
コヨウラクツツジ

小さなリンゴみたいな花。小瓔珞躑躅(コヨウラクツツジ)。

編笠山山頂
編笠山山頂

ぱっと視界が開けると編笠山に登頂!

 

権現岳と擬宝珠も良く見えました。

南アルプスや富士山は残念ながら見えず。

 

風も穏やかで岩もポカポカと温かいので岩の上でお昼休憩。

トマトにトウモロコシにフキ、あとはおにぎりまでいただいてしまいました。

ゆるく楽しい山頂でのひとときでした、ご馳走様です!

 

しばらくすると少し小雨が降ってきましたが、身体を冷やすのにちょうどいいぐらい。

タカネザクラ
タカネザクラ

急な下りの下山の途中も花に遭遇します。

 

いまが正に旬といった感じの高嶺桜(タカネザクラ)、またの名をミネザクラ。

高山帯ギリギリに咲いているので、地を這うような樹形。

 

まだまだ高い山はお花見の時期でした。

雲間に富士
雲間に富士

あー!

ほんとに一瞬だけ富士山が見え隠れ。

地衣類
地衣類

盃のはっきりとした樹枝状地衣類。興味は尽きませんがなんせ謎過ぎて学びにならない。

サラサドウダン
サラサドウダン

だいぶ下がってきました。雨具を着なくても大丈夫なレベルの雨が続いたおかげで岩や木の根が濡れて、ちょっと厄介な下山路でした。

 

押手川からは登りのルートに合流。

サラサドウダンがお出迎え。

ハリブキ
ハリブキ

尖りまくっているのは針蕗(ハリブキ)。ちゃっかり花も咲かせてます。

ササバギンラン
ササバギンラン

ラストは蘭の花。笹藪の中にひっそり佇んでいた笹葉銀蘭(ササバギンラン)。

どれが笹の葉でどれが蘭の葉か分かりませんね。

 

行きよりも帰りの方が少し開いていました。

ちゃんと生活してます。


久々に充実度高めな日帰り登山でした。

 

そもそも日帰りのガイドが久々なんですが、これは発見というか良いコースでした。

 

シラカバ、カラマツ林を抜け、ミズナラの林にはサラサドウダン。

 

しばらく登ると山地帯から亜高山帯に突入し、苔の森が広がる。足元にはイワカガミやキバナノコマノツメ。

 

最後は岩場を登り切ると高山帯で展望がドカーンと開ける。

 

植生の垂直分布をしっかりと感じられ、かつ展望や登り応え(観音平と編笠山の標高差は約1,000m)も満たす。

…いいですね。日帰り登山としてはとても秀逸です。

 

「八ヶ岳と言えば縦走」勝手にそう思って自分の夏~秋の企画は縦走ばかり。

編笠山と言えばその最初(または最後)の山というイメージが強かったんですが、こうやって丁寧に歩いて見ると、まぁ出てくる出てくる、発見が。

 

この山行で編笠山の評価(評価っておこがましいですが)が格段にアップしました。

そして「やっぱり八ヶ岳はすごいわ」と一体何度この山に感じさせてもらっているのか分からない感情をまたまた喰らわせてくれました。

ほんと良い山。

 

ハクサンシャクナゲがちゃんと咲くころにも再訪したいです。

 

あ、また来週末に来るんでした。今からもう楽しみです。


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