中央分水嶺トレイル その2
※引き続きこの記事もほぼお客様からご提供いただいた写真で構成されています。ご提供ありがとうございました!!
6月下旬。中央分水嶺トレイル38kmの旅のつづきです。
day 2 つづき
Region C の八島ビジターセンター~鷲ヶ峰~和田峠はガスガスの中を進みました。

この和田峠にある茶屋からRegion D となります。
今日はこのRegion D の途中にある三峰茶屋までで終了、長い二日目もあと少し!
とりあえず茶屋でトイレを借りて一休み。
少し雨がパラついてきましたがすぐに止みました。
微妙な天気ですがカンカン照りよりはいいかも。

自動車道が通る現和田峠から、横道に入り石畳ときれいな草地になっている道を少し登ると、旧中山道の・和田峠(古峠)に到着です。
横道に入ったところからこの古峠までのほんの数分間だけ中央分水嶺トレイルは旧中山道をなぞります。
江戸の世では参勤交代などで多くの人が往来した歴史の道です。幕末の公武合体政策の中での和宮降嫁の際にもこの道が使われています。
今は年間どれほどの人がここを訪れるのでしょうか。

←江戸方 京方→
の表記に心湧きたちます。
難所和田峠を挟んで東西に「餅屋」があったのは江戸人の商売根性の現れでしょうか。
当時の人は峠の力餅をパワー変えて峠越えしたんでしょうね。
今日はここからは旧中山道を外れて三峰山、扉峠、美ヶ原方面へ向かいます。

和田峠から樹林のアップダウンをしばらくこなすと、景色が一面笹原に一変します…が、こんなにも濃い霧が!
個人的にとても好きなこの区間。
明日は頼むからその景色を見せて欲しい!
ということで霧の中を1時間ほど進み、この日は三峰山の少し手前でトレイルから外れて三峰茶屋に出て2日目終了。
day 3

メイントレイルに復帰。昨日歩いてきた(はずの)道を振り返る。
左から霧ケ峰、鷲ヶ峰、和田峠、そして笹原。たしかにそんなところを歩いてきた気もする。
天気が違うとここまで違うものなのか!
それにしても気持ちの良い景観です。
右の雲海の奥には南アルプスの連なりが。

しばらく進んで三峰山を振り返る。
三峰山の標高は1,887m、普通に考えれば亜高山帯針葉樹林となるべき場所ですが、この山容。
なぜでしょうか?あまり情報が出てきません。
霧ヶ峰などと同じ二次草原かとは思いますが…
なにはともあれ、歩いていてとても気持ちの良いトレイルです。

細かなアップダウンを繰り返し、度々樹林にも入ります。
日が上がってきたので樹林が助かります。
スッとした白い花はタガソデソウ。
環境省レッドリストでVU(絶減危惧II類)に指定されています。
分布は山梨、岐阜と長野県のみ。
長野では上高地などでもわりと普通に見られます。
ちなみに絶減危惧II類とは「絶滅の危険が増大している種」です。
いったんビーナスラインと合流し車道をしばらく進むと扉峠に到着です。

扉峠から今回の中央分水嶺トレイルの最後のピークである茶臼山に取り付きます。ここから最終のRegion E。
出だしからけっこう急登ですが最後と思うと頑張れます。
少し登るとまた開けた草の斜面に出ました。
そこに咲くのはコウリンカ。たくさん咲いていましたが、この数は初見。本来はもう少し先の花では?
コウリンカは紅輪花と書きます。

3日間のガイドを終えた安堵と心地よい疲れを感じつつ塩尻駅に到着。さて、家まであとちょっと。
とその時、ポツ、ポツ、ポツ、、ザーーーッ!ゴーーーーッ!!!バチバチバチバチッ!!
なんととてつもない豪雨襲来!
すぐそばの自転車置き場に潜んで難を逃れましたが、なかなか止まない。
しばらくボーっと待っているも止む気配なし。
ふと
「奇跡的にこの3日間まともに降られなかったんだから、ここらでひとつ降られておくか」
と謎な心境となり、ずぶ濡れになって歩いて帰りましたとさ。
雨に濡れて歩くのも覚悟を決めてしまえば気持ちの良いものですね。
雨予報の3日間、結局降られず(最後のは山行中じゃないのでノーカウント)。
2日目はかなりガスに巻かれましたが、3日目の三峰山あたりが素晴らしい天候で良かったー。
そして昨年は訪れることができなかったこのルート、仕事とは言えとても楽しく歩かせていただきました。
悪天予報にもめげずにご参加いただいた皆さま本当にありがとうございました!!
中央分水嶺トレイル、来年以降も設定します。まだ歩かれていないという方は是非!
☆以下、募集中の企画です。
○剣ヶ峰だけじゃない!コマクサ咲く継子岳、雷鳥にも出会えるかも。
○槍穂高の展望台、信州の名峰を縦走。
○無理なく、急がず、北アルプスの頂点に立つ。
○頚城の名峰2座
他にもいろいろと募集中です→ガイドメニューへ
みなさまに山でお会いできること楽しみにしております!