後志・胆振の山々を巡る-2
五色温泉からは東にニセコアンヌプリ、西にイワオヌプリ~ニトヌプリ~チセヌプリ~シャクナゲ岳と続く縦走路が延びています。
今日はニセコアンヌプリに続き宿を挟んで向かいの山、イワオヌプリを往復します。
山と高原地図では入口のインフォメーションセンターから山頂まで1時間程度。
昨日後方羊蹄山で長い長い行程を歩いているので、おまけ的なちょっとゆるめの設定です。

インフォメーションセンターから橋を渡るとさっそく見どころ。
この写真どうでしょうか?
上の方に高い木があり、下の方に高山帯にある矮小低木がびっしり。
明らかに植生の垂直分布のルールを無視しています。
こういうのを植生の逆転現象と言います。

その原因はこれ!
この黄色の結晶。そうです硫黄です。
あとはいつかの実際のガイド時にでも説明させていただければと思います。
この硫黄があることからこの山がイワオ(硫黄)ヌプリ(山)と命名されています。

再び傾斜が強まり、花崗岩の礫の道を登っていくと、後方にゴツゴツした岩が点在する山とジグザグ模様の入った草原状の気持ちの良さそうな山が見えました。
同じニセコ連山の小イワオヌプリとニトヌプリ。

だんだん視界も良くなって明るくなってきました。
イワオヌプリは火口を避けるように2つのルートで登頂できるのですが、これはもう一方のルートを進む登山者。
少し遠くの山も見えました。

東峰より山頂道標方面。4人の登山者の方々が我々が東峰に向かうのをずっと見ていました。
東峰は登山禁止ではないと思いますが、踏み跡がだいぶ薄かったので一般には皆さんのいる山頂道標があるところを山頂としているようですね。

下山して五色温泉からイワオヌプリを見るとすっかりガスがとれていました。
おまけで行った山にしては思いがけず素晴らしい山でした。
その後、インフォメーションセンターの展示でこの山の硫黄の採掘からニセコの歴史が始まったことを知りました。
いまではスキーや温泉で有名な「ニセコ」が今日登ったこの山から始まっていると思うと、いい山で然るべきだよなと妙に納得してしまいました。
day4

今日は、昨日のイワオヌプリから西に続く同じニセコ連山のチセヌプリに向かいます。
夕方から今年白老町にオープンしたウポポイ(民族共生象徴空間)のアイヌ博物館を予約しているので、登山は軽めです。
神仙沼レストハウスから登山開始。

展望を期待して予定していたシャクナゲ岳はあまりにガスっているので登るのをやめて、神仙沼を散策しました。
シャクナゲ岳からはチセヌプリ、イワオヌプリ、ニセコアンヌプリ、後方羊蹄山と登った山々が連なって一望できるはずだったので少し残念。今日は到底無理です。
神仙沼ではミツガシワが水面からたくさん頭を出しています。